オープンダイアローグ その4                オープンダイアローグとは何か 03

 では、続けよう。

1 オープンダイアローグの概略

 ここでも同じように小見出しを並べ、強調がある場合、あるいは引用者が大切だと思う部分をその下に引用する。

<全体をざっくりつかんでみよう>

・拍子抜けするほどのシンプルさ
  セイックラ教授はオープンダイアローグが「技法」や「治療プログラム」ではなく、「哲学」や「考え方」であることを繰り返し強調しています。
・即座にチームて‘会いに行く
  治療対象は、最重度の統合失調症を含む多様なケースです
・トータルに見れば低コスト
・本人なしでは何も決めない
  スタッフ限定のミーティングなど、はいっさいるりません。本人と家族、関係者ら全員の意向が表明されたのちに、治療の問題が話し合われます。
・「ケア」の文脈で考えてみたらど、うか
  治寮すなわち「キュア」と考えるなら難しいことで、も、「ケアに限りなく近いキュア」と考えるなら、ありそうに思えてきませんか?
  その意味でこの技法は一種の「治療のインフラ」と考えることもできるでしょう。
  ならば問題は、「どんな対話をするか」に集約されます。
  つまり技術や質の問題です。

 <どんなルールで進められるのか>

・電話を受けたス夕、yフが責任者
・平等だが専門性は必要
  ミーティングにはファシリテーターはいますが、対話を先導したり結論を導いたりするような「議長」や「司会者」はいません。
  ちなみにファシリテーターとは、中立な立場を保ちながら折に触れて話し合いに介入し、議論がスムーズに進行するよう調整しながら、相互理解に向けて、議論を広げたり深めたりするような役割を負った人のこと指します。
  これは最も重要な原則のひとつなので繰り返しますが、本人抜きて1まいかなる決定もなされません。
・薬物は「保険」

 <リフレグティングとは何か>
・治療者たちを逆に観察する機会
・自分についての噂話を聞く仕掛け
  「あなたはよくがんばっている」と言われるよりも、「あなたがすごくがんばっていると、○○さんが誉めてましたよ」と言われるほうがずっとうれしい。
  そう感じる人は少なくないでしょう。説得や押しつけ抜きで、こちらの見解をしっかり聞いてもらう手法としても、リフレクテイングはよく考えられたやり方だと思います。
  それゆえオープンダイアローグのゴールは、全員が合意に達することではありません。それぞれの異なった理解を、うまくつなぎ合わせ、共有することです。合意や結論は、この過程から一種の“副産物”のようにしてもたらされるのです。

                                                   (続く)

                         2016/05/23  Biblio Kei